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QI26 ホルモン療法(骨転移のみ)

薬物療法(ホルモン療法)

実施率の計算方法

分子:
     ホルモン療法が行われた患者数

分母:      ホルモン受容体陽性で転移が骨転移のみの進行乳癌患者数(他が検索されて陰性か、検索されていない)

 

参照ガイドライン/先行研究

ACOVE-3

 

根拠

 ホルモン受容体陽性の進行性乳癌患者において、ホルモン療法は化学療法と同程度の効果があり、かつ、一般に副作用が少ないと考えられている。総計692名を対象とした6件のランダム化比較試験をメタアナリシスしたコクランレビューでは、ホルモン受容体陽性の転移乳癌に対して、化学療法とホルモン療法の生存曲線に有意差はみられなかった。奏功率に関しては化学療法のほうがよいとの報告もあるが一定していない。NCCNのガイドラインでは、過去1年以内に抗エストロゲン療法が行われていない転移乳癌患者に対してホルモン療法を行うことを推奨しており、ESMOでは、ホルモン受容体陽性で転移再発乳癌の患者に対して急激な病勢の悪化による早期の改善を図る場合以外には、ホルモン療法を推奨している。
 以上より、内臓への広範な転移のないエストロゲン受容体陽性で骨転移を有する進行性乳癌患者に対しては、ホルモン療法を行うことが推奨される。

 


参考文献

1.  Wilcken N, Hornbuckle J, Ghersi D. Chemotherapy alone versus endocrine therapy alone for metastatic breast cancer. Cochrane Database Syst Rev. 2003(2):CD002747.

2.  National Comprehensive Cancer Network. Clinical Practice Guidelines in Oncology - Breast Cancer. 2009 accessed on 3/31/2009 at www.nccn.org

3.  V. Kataja1 & M. Castiglione, the ESMO Guidelines Working Group. Locally recurrent or metastatic breast cancer: ESMO Clinical Recommendations for diagnosis, treatment and follow-up. Annals of Oncology, 2008;19 (Supplement 2): ii11-ii13