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QI41 毎年のマンモグラフィーによる経過観察

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実施率の計算方法

分子:
     毎年マンモグラフィー検査が行われている患者数

分母:      乳癌に対して手術を受けて5年以内の患者数(両側乳切患者を除く)
(平成22年10月改訂) 前版を表示隠す

(前版)

分子:
     毎年マンモグラフィー検査が行われている患者数

分母:      乳癌に対して手術を受けて5年以内の患者数
■変更理由
これは対側乳房の乳癌に対するエビデンスに基づくQIであり、両側乳房切除の患者は除くことにした。

 

参照ガイドライン/先行研究

乳癌診療ガイドライン2005年版 検診・診断 RQ 24、NICCQ

 

根拠

 術後の定期検診におけるマンモグラフィー検査の有用性については、乳房温存術における同側の再発の早期発見と、対側での乳癌の発見の2つの観点から考えなければならない。わが国の乳癌診療ガイドライン検診・診断2005年版では同側の再発の早期発見に関しては、その生存率が減少するなどの有用性は明らかではないとしているが、対側乳房については非ランダム化試験の結果から、毎年マンモグラフィーを行うことで触診のみの場合に比べて、臨床病期の早い段階で乳癌が発見されるとしている。ASCOのガイドラインにおいても確立したエビデンスがないことも認めつつ、現実にランダム化比較試験を行うことが困難であることを考慮し、1年ごとのマンモグラフィーを推奨している。以上を総合し、術後1年ごとのマンモグラフィーをQIとした。
 また、ガイドラインでは特に5年以内などの期間は設定されていないが、QIとしては現実的な追跡可能性を考慮して分母を限定した。NICCQにおいても、術後患者で過去1年間以内のマンモグラフィー撮影がQIとされている。

 

 

参考文献

1.  Khatcheressian JL, Wolff AC, Smith TJ, et al. American Society of Clinical Oncology.American Society of Clinical Oncology 2006 update of the breast cancer follow-up and management guidelines in the adjuvant setting.J Clin Oncol. 2006 Nov 1;24(31):5091-7.

2.  日本乳癌学会 ed. 乳癌診療ガイドライン 検診・診断 2005 年版 金原出版, 東京, 2005

3.  Malin JL, Schneider EC, Epstein AM, Adams J, Emanuel EJ, Kahn KL. Results of the National Initiative for Cancer Care Quality: how can we improve the quality of cancer care in the United States? J Clin Oncol. 2006 Feb 1;24(4):626-34.