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QI43 画像検査・腫瘍マーカーの回数

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実施率の計算方法

分子:
     治療終了後1年の同じ画像検査(CT、超音波、胸部X線、骨シンチグラム)の数が≦2回・腫瘍マーカーの検査≦2回(同種類の検査)である患者数

分母:      当初の治療を適切に終えた患者数
(平成22年10月改訂) 前版を表示隠す

(前版)

分子:
     治療終了後1年の同じ画像検査(CT、超音波、胸部X線、骨シンチグラム)の数が≦2回・腫瘍マーカーの検査≦4回である患者数

分母:      早期乳癌で当初の治療を適切に終えた患者数
■変更理由
早期乳癌の定義をもう現在は使用していないので、不適切であり削除した。
腫瘍マーカー検査は、ガイドラインでは推奨Cになっている。そのため4回では多いと考えられ、2回に変更した。

 

参照ガイドライン/先行研究

ACOVE-3

 

根拠

 わが国の乳癌診療ガイドライン検診・診断2005年版では、術後の定期血液検査、胸部/腹部CT、胸部X線検査、骨シンチグラム、肝臓超音波、腫瘍マーカーの有用性はすべて「明らかではない」として推奨していない。また、ACOVEにおいても乳癌のQIとして、ルーティンにこれらの画像検査や腫瘍マーカーを使用するような「頻回検査」を行うべきではないとしている。その根拠として2件の大規模ランダム化比較試験とそれらのメタアナリシスでは、早期乳癌患者に対する通常観察(診察+マンモグラフィー)に、胸部X線検査、骨スキャン、肝臓超音波検査、臨床検査などを加えることでの生存率やQuality of Life(QOL)、DFSに改善は認められていないことをあげている。ここではさらに専門家のコンセンサスにより上限の検査回数を設定してQIとした。

 


参考文献

1.  日本乳癌学会 ed. 乳癌診療ガイドライン 検診・診断 2005 年版 金原出版, 東京, 2005

2.  Naeim A, Sawhney R, MacLean CH, Sanati H. Quality indicators for the care of breast cancer in vulnerable elders.J Am Geriatr Soc. 2007 Oct;55 Suppl 2:S258-69.

3.  Palli D, Russo A, Saieva C, et al., Intensive vs clinical follow-up after treatment of primary breast cancer: 10-year update of a randomized trial. National Research Council Project on Breast Cancer Follow-up. Jama, 1999. 281(17): p. 1586.

4.  Liberati, A., The GIVIO trial on the impact of follow-up care on survival and quality of life in breast cancer patients. Interdisciplinary Group for Cancer Care Evaluation. Ann Oncol, 1995. 6 Suppl 2: p. 41-6.

5.  Rojas MP, Telaro E, Russo A. et al., Follow-up strategies for women treated for early breast cancer. Cochrane Database Syst Rev, 2005(1): p. CD001768.