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QI 1 治療前腫瘍マーカー(血清CEA値)の測定

治療前評価

実施率の計算方法

分子:
     治療前の血清CEA値の測定結果が診療録に記載されている患者数

分母:      手術または化学療法を受けた大腸癌患者数
(平成22年5月改訂) 前版を表示隠す

(前版)

分子:
     治療前の血清CEA値の測定結果が診療録に記載されている患者数

分母:      手術、化学療法、または放射線治療を受けた大腸癌患者数
■変更理由
放射線治療は緩和的に行われる場合が多いため、必ずしも治療前のCEA値の測定が必要ではないと判断し、対象(分母)から「放射線治療を受けた患者」を除外することとした。

 

参照ガイドライン/先行研究

JNCI、ACOVE-3

 

根拠

 大腸癌の治療において、治療前CEA値は予後予測因子として有用である。各種報告では遠隔再発を来した患者では、再発がなかった患者に比べて術前CEA値が有意に高値であり、2年以内の再発率は術前CEA>5ng/mL群では23%と、CEA≦5ng/mL群の2.1%に比べて有意に高く、無病生存期間が有意に短かった。また、リンパ節転移陰性であっても、CEA高値の大腸癌患者の予後は不良であることが明らかとなっている。米国癌予後因子合意形成会議合同委員会の大腸ワーキンググループでは、TNM分類において血中CEA高値(CEA>5ng/mL)かどうかで層別化して検討することを推奨している。また、欧州腫瘍マーカーグループ委員会も、ベースライン値を把握しておくことは術後のCEA値の解釈に有用であるとして、術前のCEA値測定を推奨している。治療前のCEA値が高値であった場合、治療後のCEA値の低下が治療効果の1つの目安となる。また治療後のサーベイランスを行う上で、比較対象として治療前CEA値を知っておくことは有用である。
 以上より、治療前CEA値は大腸癌治癒切除後の予後予測因子として、治療効果の指標として、また術後サーベイランスの際の比較対象(ベースライン)として有用であることから、手術を受ける大腸癌患者、ならびに化学療法を受ける大腸癌患者では、治療前に血清CEA値が測定され、その結果が診療録に記載されるべきである。

 

参考文献

1.  Carriquiry LA, Pineyro A. Should carcinoembryonic antigen be used in the management of patients with colorectal cancer? Diseases of the colon and rectum;42:921-9.1999.

2.  Wiratkapun S, Kraemer M, Seow-Choen F, Ho YH, Eu KW. High preoperative serum carcinoembryonic antigen predicts metastatic recurrence in potentially curative colonic cancer: results of a five-year study. Diseases of the colon and rectum;44:231-5.2001.

3.  Harrison LE, Guillem JG, Paty P, Cohen AM. Preoperative carcinoembryonic antigen predicts outcomes in node-negative colon cancer patients: a multivariate analysis of 572 patients. Journal of the American College of Surgeons;185:55-9.1997.

4.  Compton CC, Fielding LP, Burgart LJ, et al. Prognostic factors in colorectal cancer. College of American Pathologists Consensus Statement 1999. Archives of pathology & laboratory medicine;124:979-94.2000.

5.  Compton C, Fenoglio-Preiser CM, Pettigrew N, Fielding LP. American Joint Committee on Cancer Prognostic Factors Consensus Conference: Colorectal Working Group. Cancer;88:1739-57.2000.

6.  Duffy MJ, van Dalen A, Haglund C, et al. Clinical utility of biochemical markers in colorectal cancer: European Group on Tumour Markers (EGTM) guidelines. Eur J Cancer;39:718-27.2003.