QI15 Stage II・III 大腸癌に対するリンパ節郭清
術式
実施率の計算方法
分子: |
D3郭清が行われた、もしくは行われない理由が診療録に記載されている患者数 | |
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分母: | 手術を受けた、cStage II・III の大腸癌患者数 |
参照ガイドライン/先行研究
大腸癌治療ガイドライン(医師用・2014年版)
根拠
大腸癌患者において、リンパ節郭清の範囲を変化させて予後を比較したRCTはない。大腸癌研究会の大腸癌全国登録(2000~2004年症例)における集計では、pT3(SS/A)以深の癌のリンパ節転移率は約40%であった。また約15%が中間リンパ節、約5%が主リンパ節転移を有していた。同様に、大腸癌研究会のプロジェクト研究(1991~1996年症例)における検討では、pStage II・III、根治度A症例3949例のうち、腸管傍リンパ節転移は36.0%、中間リンパ節または主リンパ節転移は17.5%であった。また、Hidaらの結腸癌164症例における検討では、中間リンパ節転移率はpT2癌で20.0%、pT3癌で30.6%、pT4癌で44.4%、主リンパ節転移率はpT2癌で0%、pT3癌で15.3%、pT4癌で22.2%であり、pT3・pT4大腸癌に対しては主リンパ節を完全に郭清するD3郭清を行うべきであると述べている。
以上より、術前診断cStage II・III の大腸癌患者の手術では、D3郭清が行われるか、行われない場合はその理由が診療録に記載されるべきである。
参考文献
1. 大腸癌研究会編. 大腸癌治療ガイドライン 医師用2014年版. 東京: 金原出版; 2014.
2. Kitajima K, Fujimori T, Fujii S, et al. Correlations between lymph node metastasis and depth of submucosal invasion in submucosal invasive colorectal carcinoma: a Japanese collaborative study. J Gastroenterol;39:534-43.2004.
3. Hida J, Yasutomi M, Maruyama T, Fujimoto K, Uchida T, Okuno K. The extent of lymph node dissection for colon carcinoma: the potential impact on laparoscopic surgery. Cancer;80:188-92.1997.