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QI34 化学療法施行中の患者に対する血液検査項目

化学療法

実施率の計算方法

分子:
     月1回以上、以下の血液検査項目が確認されている患者数
(血算(分画を含む)・総ビリルビン、AST、ALT、血清クレアチニン値)

分母:      大腸癌に対する化学療法を受けた患者数
(平成22年5月改訂) 前版を表示隠す

(前版)

分子:
     月1回、以下の血液検査項目が確認されている患者数
(血算(分画を含む)・総ビリルビン、AST、ALT、血清クレアチニン値)

分母:      大腸癌に対する化学療法を受けた患者数
■変更理由
表現を明確にするために「以上」を追加した。

 

参照ガイドライン/先行研究

大腸癌治療ガイドライン(医師用・2014年版)

 

根拠

 大腸癌に対する化学療法を行っている患者における、投与の延期、減量、中止は、そのレジメンの毒性や患者の経過や状態によって、総合的に判断されるものであり、統一した判定基準は存在しない。しかし、国内外の臨床試験では、治療の安全性を確保するための投与可能基準が設けられており、一般に、白血球数3000/mm 3未満、好中球数1500/mm3未満、血小板数10万/mm 3未満、総ビリルビン2.0mg/dL以上、AST・ALT100IU/L以上、血清クレアチニン値が施設正常値上限より高値、Grade2以上の非血液毒性を認めた場合には、これらが回復するまで投与を延期するようにプロトコルが設定されている場合が多い。これらの事項を満たさない患者では、化学療法の続行により重篤な有害事象を引き起こす危険性が高いと考えられている。安全性の確保のためには、少なくとも各クール投与開始前に上記の条件を確認することが必要である。本QIでは、特定のレジメンを対象とする評価ではないため、最低限の安全性の担保として、専門家のコンセンサスに基づき「月1回以上」の臨床検査値の確認を指標とした。

 以上より、大腸癌に対する化学療法を受けている患者は、血算(分画を含む)、総ビリルビン、AST、ALT、血清クレアチニン値の検査が、少なくとも月1回以上行われるべきである。

 

参考文献

特になし