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QI14 リピオドール肝動脈(化学)塞栓療法(TA(C)E)

局所療法(手術・TA(C)Eを含む)

実施率の計算方法

分子:
     リピオドールが混合して使用された患者数

分母:      TA(C)Eを受けた肝細胞癌患者数

 

参照ガイドライン/先行研究

肝癌診療ガイドライン2005年版 RQ 46

 

根拠

 科学的根拠に基づく肝癌診療ガイドラインでは、TA(C)Eを施行する際のリピオドール混合を推奨している。その理由の1つとして、化学療法のみではなくリピオドールを使用することで、その後のCT検査での小さな衛星結節、肝内転移巣が発見されやすくなるという理由をあげている。また、化学療法剤と混合(エマルジョン)することにより、化学療法の癌への停留を促進するともいわれている。最近のTA(C)Eのさまざまな技法に関する175件の研究の系統的レビューでは、すべての研究でリピオドールが使用されており、その使用はもはや標準ともいえる。逆にリピオドールそのものの患者アウトカムに関する効果は検証されていない。
 以上、リピオドール混合による抗腫瘍効果および腫瘍における停滞により治療効果の追跡が画像的に容易になることから、肝細胞癌患者がTA(C)Eを受ける場合、リピオドールが混合されるべきである。

 

参考文献

1.  社団法人・日本肝臓学会. 肝癌診療マニュアル. 東京: 医学書院; 2007.

2.  Konno T, Maeda H, Iwai K, et al. Effect of arterial administration of high-molecular-weight anticancer agent SMANCS with lipid lymphographic agent on hepatoma: a preliminary report. European journal of cancer & clinical oncology 1983;19(8):1053-65.

3.  科学的根拠に基づく肝癌診療ガイドライン作成に関する研究班. 科学的根拠に基づく肝癌診療ガイドライン. 東京: 金原出版; 2005.

4.  Fung KT, Li FT, Raimondo ML, et al. Systematic review of radiological imaging for hepatocellular carcinoma in cirrhotic patients. The British journal of radiology 2004;77(920):633-40.

5.  Marelli L, Stigliano R, Triantos C, et al. Transarterial therapy for hepatocellular carcinoma: which technique is more effective? A systematic review of cohort and randomized studies. Cardiovascular and interventional radiology 2007;30(1):6-25.