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QI 8 治療内容の診療録への記載

外科療法・病理

実施率の計算方法

分子:
     外科治療が行われたか、行われない場合にはその根拠が診療録に記載されている患者数

分母:      臨床StageⅠ~IIの非小細胞癌と診断された患者数

 

参照ガイドライン/先行研究

肺癌診療ガイドライン2005年版

 

根拠

 臨床StageⅠ~IIの肺癌に対して外科切除と放射線治療またはその他の治療法との比較試験は存在しない。1999年にわが国で切除された肺癌13,010症例を対象にした予後解析では、臨床Stage IA肺癌の5年生存率は77.3%、IB 59.8%、IIA 54.1%、IIB 38.3%と報告されている。昨今、定位放射線治療による治療成績の向上が目覚ましく、手術に替えてこの治療を行うという選択肢も浮上してきているが、まだ標準となるには至っておらず、現時点では患者が説明を受けた上で選択した場合に例外として扱われる理由に含められている。

 以上より、StageⅠ~IIの肺癌の手術治療成績は一般の放射線治療や化学療法よりも優れていることから、臨床StageⅠ~IIの非小細胞癌と診断された患者では、外科治療を行うか、行わない場合にはその根拠が診療録に記載されるべきである。

 

参考文献

1.  Asamura H, Goya T, Koshiishi Y, Sohara Y, Eguchi K, Mori M, Nakanishi Y, Tsuchiya R, Shimokata K, Inoue H, Nukiwa T, Miyaoka E. A Japanese Lung Cancer Registry study: prognosis of 13,010 resected lung cancers. J Thorac Oncol 2008;3(1):46-52.