QI30 放射線治療計画
放射線治療
実施率の計算方法
分子: |
CTシミュレーションによる治療計画が行われた患者数 | |
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分母: | 肺癌に対し、根治目的で放射線治療計画が立てられた患者数 |
参照ガイドライン/先行研究
肺癌診療ガイドライン2005年版、放射線治療計画ガイドライン2004
根拠
肺癌のように決まった形がなく、さらに周りの臓器(正常肺、食道、脊髄など)への照射を最小限にとどめるためには、症例毎に、照射の形を加味した照射を調節して計画することが必要である。そのためには、CT画像に基づいて正確な標的領域とリスク臓器の幾何学的構造を決定した上での3次元治療計画を行うことで、より綿密な計画が可能になる。2次元治療計画に対して3次元治療計画を実際に生存率や有害事象出現率などで比較試験を行った報告はみられなかったものの、その優位性は自明であり、肺癌ガイドライン2005年版、放射線治療計画ガイドライン2004においても、推奨されている。
以上より、3次元治療計画により、標的腫瘍とリスク臓器の構造を加味した正確な照射と、有害事象の最小化が可能となることから、肺癌と診断された患者に根治目的で放射線治療計画を立てる場合には、CTシミュレーションによる治療計画を行うべきである。
参考文献
1. 日本肺癌学会, ed. 肺癌診療ガイドライン 2005年度版. 東京: 金原出版; 2005.