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QI35 静注化学療法施行中の定期検査

有害事象のフォローアップ

実施率の計算方法

分子:
     初回化学療法の各クール開始前または1ヶ月に1回以上、以下の検査がなされている患者数
血液検査
・胸部X線

分母:      肺癌と診断され、静注化学療法(化学放射線療法を含む)を受けた患者数
(平成23年6月改訂) 前版を表示隠す

(前版)

分子:
     各クール開始前または1ヶ月に1回以上、以下の検査がなされている患者数
血算、肝機能(AST,ALT, T-Bil)及び腎機能(BUN,Cr)、LDHを含む血液検査
・胸部X線

分母:      肺癌と診断され、静注化学療法(化学放射線療法を含む)を受けた患者数
■変更理由
測定が大変なので初回の各クールに限り、血液検査の項目の詳細は標準的なものであり、特に項目の指定は行わず血液検査とした。

 

参照ガイドライン/先行研究

特になし

 

根拠

 化学療法施行中の患者における投与延期、または減量・中止に統一した判定基準は存在しない。しかし、国内外の臨床試験では一般に白血球数3000/mm 3未満、好中球数1500/mm3未満、血小板数10万/mm 3未満、総ビリルビン2.0mg/dL以上、AST・ALT 100IU/L以上、血清クレアチニン値が施設正常値上限より高値、Grade2以上の非血液毒性を認めた場合には、これらが回復するまで投与を延期するようにプロトコルが設定されている場合が多い。これらの事項を満たさない患者では、化学療法の続行により、重篤な有害事象が誘発される危険が高いと考えられる。臨床試験以外の化学療法においても、安全性確保のためには、少なくとも各クール投与開始前に上記の条件を確認することが必要である。特に肺においては、これらに加えて、LDHの値、および胸部X線による評価が必要と考えられる。

 以上より、化学療法の有害事象を早期に発見し、以降の治療を決定することで、患者への最適な治療が可能になることから、肺癌と診断された患者が初めて静注化学療法(化学放射線療法を含む)を受ける場合には、各クール開始前または1ヵ月に1回以上、血液検査、胸部X線写真の検査がなされるべきである。

 

参考文献

特になし