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QI 3 待期手術前の診断的内視鏡検査

治療前評価

実施率の計算方法

分子:
     術前検査(内視鏡検査/UGI)が施行され、検査結果詳細(肉眼型、部位、内視鏡診断的深達度)が記載されている患者数

分母:      根治的な待期手術を受けた胃癌患者数
(平成22年3月改訂) 前版を表示隠す

(前版)

分子:
     診断的内視鏡検査が施行され、検査結果詳細(肉眼型、部位、腫瘍径、内視鏡診断的深達度)が記載されている患者数

分母:      待期手術を受けた胃癌患者数
■変更理由
・緩和的であったり、非切除の場合には必ずしも術前検査の詳細な結果は必要ないので、根治的待機手術という言葉に変更した。
・診断的内視鏡検査だけでなく、肉眼型、部位、、深達度がわかればUGIでも良いと考えられるので「術前検査」に変更する。
・手術適応となる胃癌では、腫瘍径は種類によっては必ずしも必要ではない場合もあるので文言より削除した。

 

参照ガイドライン/先行研究

胃癌取扱い規約(第14版)、胃癌治療ガイドライン(第3版)

 

根拠

 内視鏡検査所見の記載の有無が患者アウトカムの改善に結びつくという直接のエビデンスは存在しないが、これら内視鏡所見は内視鏡治療か手術治療かを決定する上で必須の情報である。昨今のチーム医療において、内視鏡検査所見の記載による医療者間での情報の共有は非常に重要であり、内視鏡検査所見が診療録に存在することで、診断内視鏡医、外科医、その他の医療関係者間で情報共有が確保される。さらに、異なる医療者間だけではなく、フォロー検査をする場合などにおいても、治療前の状態の正確な情報が記載されていることは後の治療における方針を決定する上でも重要である。

 以上より、治療前内視鏡検査による詳細な病変の観察結果を記録しておくことは、治療方針の決定に有用な情報となることから、胃癌に対して待期手術を受ける患者は、診断的内視鏡検査が行われ、肉眼型、部位、予想される深達度(内視鏡診断的深達度)を含む検査結果の詳細が診療録に記載されるべきである。

 

参考文献

1.  日本胃癌学会, ed. 胃癌治療ガイドライン 第3版. 東京: 金原出版; 2010.
2.  日本胃癌学会, ed. 胃癌取扱い規約 第14版. 東京: 金原出版; 2010.