QI 6 内視鏡切除前の病理学的診断
治療前評価
実施率の計算方法
分子: |
治療前に腫瘍生検と病理学的診断がなされた患者数 | |
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分母: | 内視鏡切除を受けた胃癌患者数 |
参照ガイドライン/先行研究
胃癌治療ガイドライン(第3版)
根拠
内視鏡切除前の生検の有無でアウトカムを比較したエビデンスは存在しないが、治療前に生検を行い、診断を確定することは非常に重要であり、それを診療録に記載して診断のコミュニケーションを確実にすることは必須である。文献上報告されることはないが、事前に生検を行わず、癌の確定診断を得ないまま治療を行い、不必要な治療を患者に行ってしまうことも起こり得る。また、生検の結果の組織型によっては、その結果に応じた治療選択の変更が必要となる可能性があり、生検を行わなかったことにより、患者に適切な治療がなされないこともあり得る。
以上より、腫瘍の生検組織の病理学的診断は、癌の確定診断および内視鏡切除適応決定に必須であることから、胃癌に対して内視鏡切除を受ける患者は、治療前に腫瘍の生検が行われ病理学的診断がなされるべきである。
参考文献
1. 日本胃癌学会, ed. 胃癌治療ガイドライン 第3版. 東京: 金原出版; 2010.
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