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QI29 手術後の定期的検査

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実施率の計算方法

分子:
     術後3年間、最低年1度の腹部画像検査が施行されている患者数

分母:      Stage III胃癌に対する根治手術を受けた患者数
(平成22年3月改訂) 前版を表示隠す

(前版)

分子:
     術後3年間、最低年1度の血清CEA測定および腹部画像検査が施行されている患者数

分母:      Stage III胃癌に対する根治手術を受けた患者数
■変更理由
・腫瘍マーカーの測定はガイドラインでは記載がないので、血清CEAを除いた。

 

参照ガイドライン/先行研究

胃癌治療ガイドライン(第3版)

 

根拠

 術後経過観察時における血清腫瘍マーカー測定の意義として、術前血清腫瘍マーカー高値例で術後正常域まで低下しない場合や術後に継続的に上昇する場合には、遺残や再発を疑い、CTなどの画像診断を行うことが推奨される。しかし、未分化型腺癌では術前および術後においても血清腫瘍マーカー陰性の場合もあり、血清腫瘍マーカー陰性であることが必ずしも再発がないことにはならない。従って、術後一定期間は血清腫瘍マーカー検査とともに定期的に画像診断を行い、肝、リンパ節、腹膜などの再発病変の検索を行うことが勧められている。

 以上より、術後の定期的なフォローは、再発の早期発見・早期治療および生命予後改善に寄与し得ることから、Stage III胃癌に対する根治手術を受けた患者は、術後3年間は、最低年1度、血清CEA測定、腹部の画像検査が行われるべきである。

 

参考文献

1.  日本胃癌学会, ed. 胃癌治療ガイドライン 第3版. 東京: 金原出版; 2010.

2.  Nakajima T, Maekita T, Oda I, et al. Higher methylation levels in gastric mucosae significantly correlate with higher risk of gastric cancers. Cancer Epidemiol Biomarkers Prev 2006;15:2317-21.