QI30 内視鏡切除後の定期的内視鏡検査
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実施率の計算方法
分子: |
切除後3年間、少なくとも1年ごとに上部消化管内視鏡検査で局所再発、多発癌の有無を検査されている患者数 | |
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分母: | 内視鏡切除を受けた胃癌患者数 |
参照ガイドライン/先行研究
胃癌治療ガイドライン(第3版)
根拠
手術も内視鏡もフォローの間隔がどの程度予後に影響するのか、再発の早期発見が治療可能性を高めるのかは明らかではない。内視鏡切除対象症例は、手術により完全治癒が期待される症例であるが、内視鏡切除後に現実には約12%の遺残・再発があり、特に分割切除による不完全切除例では約30%と高い割合となる。一方、内視鏡切除後の異時性多発癌が報告されており、年率で3%程度発生することが示されている。胃癌治療ガイドライン(第2版)では、内視鏡切除後は原則として最初の1年は3~6ヵ月ごと、1年以後は半年~1年ごとの内視鏡検査を推奨しており、改訂後の第3版でも年に1~2回の内視鏡検査を推奨している。
以上より、内視鏡的切除後、特に分割切除後では遺残・再発のリスクがあり、また胃癌患者では多発癌発生のリスクがあることから、内視鏡切除を受けた胃癌患者は、3年間は少なくとも1年ごとに上部消化管内視鏡検査にて局所再発、多発癌の有無を検査されるべきである。
参考文献
1. 日本胃癌学会, ed. 胃癌治療ガイドライン 第3版. 東京: 金原出版; 2010.
2. Nakajima T, Maekita T, Oda I, et al. Higher methylation levels in gastric mucosae significantly correlate with higher risk of gastric cancers. Cancer Epidemiol Biomarkers Prev 2006;15:2317-21.