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QI18 オピオイドによる呼吸抑制

難治性疼痛、副作用、依存症などにおける治療の調節

実施率の計算方法

分子:
   眠気の初回記載日から3日以内に、呼吸状況の観察結果の診療録記載がある患者数

分母:      オピオイド投与を受けており、3日以上連続して眠気を訴える、または意識状態の変化がある入院患者数

 

参照ガイドライン/先行研究

特になし

 

根拠

 がん性疼痛に対してオピオイドが適切に使用されている限り呼吸抑制が生じることは非常にまれであるが、生じた場合は重篤な合併症である。オピオイドによる呼吸抑制は血中濃度の上昇が鎮痛域を超え、傾眠、意識障害を生じる血中濃度を上回った場合に生じる。すなわち、呼吸抑制を生じる前には、患者は、傾眠や意識障害を体験していることが一般的である。

 従って、オピオイドによる呼吸抑制は、意識障害・眠気が最初の兆候となることから、オピオイドを投与されている患者が入院中に3日以上連続して眠気を訴える、または意識状態の変化が見られたときには、呼吸状態を観察し、少なくとも呼吸数は診療録に記載されるべきである。

 

参考文献

1.  Cherny N, Ripamonti C, Pereira J, et al. Strategies to manage the adverse effects of oral morphine: An evidence-based report. J Clin Oncol. 2001; 19: 2542-2554.

2.  National comprehensive cancer network: Adult cancer pain. http://www.nccn.org/professionals/physician_gls/PDF/pain.pdf