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QI33 化学療法に関するインフォームドコンセント

化学療法

実施率の計算方法

分子:
     化学療法により期待される効果、起こり得る合併症、有害事象、費用についてのインフォームドコンセントが行われた患者数

分母:      化学療法を受けた大腸癌患者数

 

参照ガイドライン/先行研究

大腸癌治療ガイドライン(医師用・2014年版)、ACOVE-3

 

根拠

 化学療法を行う場合、有害事象等の不利益を上回る効果が得られなければ、その治療は患者にとって有益とはいえない。化学療法によって期待される効果の指標としては、主に奏効率や生存期間、増悪までの期間(TTP)が用いられる。予想される効果と有害事象等の不利益を考慮し、患者がその治療の有益性を判断できるように、効果と不利益、双方の情報が提供されるべきである。また、化学療法は安価な治療ではないため、治療にかかる費用も重要な情報であり、治療開始前に患者が知っておくべき情報である。治療選択においてこのような情報を患者に対して提供することは、患者の自己決定を助ける意味で重要である。また、これらの重大な情報については、説明を文書に残すことで、真摯な議論を助けると考えられる。

 以上より、患者は治療の効果と危険性についての情報を与えられた上で、同意して治療を受けるべきであり、化学療法を受ける大腸癌患者は、期待される効果、起こり得る合併症、有害事象、および費用に関するインフォームドコンセントが行われるべきである。

 

参考文献

1.  大腸癌研究会編. 大腸癌治療ガイドライン 医師用 2014 年版. 東京:金原出版; 2014.

2.  日本医師会:診療情報の提供に関する指針第2版、平成14年 http://med.or.jp/nichikara/joho2.html