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QI 5 待期手術前の病理学的診断

治療前評価

実施率の計算方法

分子:
     治療前に腫瘍生検と病理学的診断がされた患者数

分母:      待期手術を受けた胃癌患者数

 

参照ガイドライン/先行研究

胃癌治療ガイドライン(第3版)

 

根拠

 生検の有無でアウトカムを比較したエビデンスは存在しないが、術前に生検を行い、診断を確定することは非常に重要であり、それが診療録に記載されて診断のコミュニケーションを確実にすることは必須である。文献上報告されることはないが、術前に生検を行わず、癌の確定診断を得ないまま手術を行い、不必要な手術を患者に行ってしまうことも起こり得る。また、生検の結果の組織型によっては、その結果に応じた治療方針の変更が必要となる可能性があり、生検を行わなかったことにより、患者に適切な治療がなされないこともあり得る。

 以上より、腫瘍の生検組織の病理学的診断は、癌の確定診断および内視鏡切除適応決定に必須であることから、胃癌に対して待期手術を受ける患者は、治療前に腫瘍の生検が行われ病理学的診断がなされるべきである。

 

参考文献

1.  日本胃癌学会, ed. 胃癌治療ガイドライン 第3版. 東京: 金原出版; 2010.

2.  Goldsmith D, McDermott D, Safran C. Improving cancer related symptom management with collaborative healthware. Medinfo 2004;11:217-21.

3.  Pereira TC, Liu Y, Silverman JF. Critical values in surgical pathology. American journal of clinical pathology 2004;122:201-5.

4.  LiVolsi VA. Critical values in anatomic pathology: how do we communicate? American journal of clinical pathology 2004;122:171-2.

5.   Walsh D, Zhukovsky DS. Communication in palliative medicine: a pilot study of a problem list to capture complex medical information. The American journal of hospice & palliative care 2004;21:365-71.