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QI11 術後断端陰性確保

外科療法

実施率の計算方法

分子:
     追加切除かブースト照射が行われた患者数

分母:      Stage I~IIIで、乳房温存術が施行されて、切除断端陰性で無い患者数
(平成22年10月改訂) 前版を表示隠す

(前版)

分子:
     切除断端の状況が記載され、かつ陰性(またはごく少量)でない場合には追加切除が計画されている患者数

分母:      Stage I~IIIで、乳房温存術が施行された患者数
■変更理由
残存病変に対する追加治療に関するQIであり、対象を切除断端が陰性でない患者とした。
ブースト照射が行われる場合もあり、ブースト照射でも可とした。

 

参照ガイドライン/先行研究

Assessing the Quality of Cancer Care: An Approach to Measurement in Georgia、ACOVE-3、NICCQ

 

根拠

 切除断端陽性は乳房温存術後の局所再発のリスク因子であることが知られており、多くのガイドラインで追加切除を行うことを勧めている。再切除でも断端陰性が得られない場合には、乳房切除術を追加することが勧められている。断端陽性の定義は今後も検討が必要であるが、基本的には病理学的に断端陰性となる手術が行われることが必要である。ただし、顕微鏡的限局的な断端陽性では照射線量の増量も適切な治療となる。これはNCCNガイドラインにも記載されている。ASCOによるNICCQにおいても「断端の所見を記載すること」「陰性(または巣状の陽性所見)ではない場合には追加切除をすること」がQIとされている。
 以上により、断端が陰性(またはごく少量)でない場合には追加切除が推奨される。

 

参考文献

1.  Fredriksson I, Liljegren G, Palm-Sjovall M, et al. Risk factors for local recurrence after breast-conserving surgery. Br J Surg. 2003 Sep; 90(9): 1093-102

2.  Park CC, Mitsumori M, Nixon A, et al. Outcome at 8 years after breast-conserving surgery and radiation therapy for invasive breast cancer: influence of margin status and systemic therapy on local recurrence.J Clin Oncol. 2000 Apr;18(8):1668-75.

3.  National Comprehensive Cancer Network. Clinical Practice Guidelines in Oncology - Breast Cancer. 2009 accessed on 3/31/2009 at www.nccn.org

4.  Malin JL, Schneider EC, Epstein AM, Adams J, Emanuel EJ, Kahn KL. Results of the National Initiative for Cancer Care Quality: how can we improve the quality of cancer care in the United States? J Clin Oncol. 2006 Feb 1;24(4):626-34.