QI 8 大腸癌手術患者に対する手術リスクの説明
治療前評価
実施率の計算方法
分子: |
手術リスク(起こり得る合併症の内容・発生率、死亡率を含む)が説明され(患者に説明できない場合には代理人に)、それが診療録に記載されている患者数 | |
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分母: | 手術を受けた大腸癌患者数 |
参照ガイドライン/先行研究
ACOVE-3、JNCI
根拠
インフォームドコンセントは、「正しい情報を得た(伝えられた)上での合意」を意味する概念であり、説明する医療者は医療行為の利点のみならず、予期される合併症やその他の治療選択肢についても十分な説明を行い、その治療を行うことの同意を得る必要がある。
術前のインフォームドコンセントによって、手術のリスク、ベネフィット、また手術に代わる治療法に関する情報を患者に提供することにより、大腸癌患者は十分な情報に基づいた判断が可能になると考えられる。大腸癌手術におけるインフォームドコンセントの過程において、外科的治療と非外科的治療(化学療法や放射線治療)の両者を含めた治療の選択肢について、医師と患者間で話し合うべきである。また外科的治療においても、その術式に応じてさまざまな難易度や合併症発生率の相違が存在するため、これらについても説明する必要がある。患者の十分な理解のためには、手術のベネフィットのみでなく、死亡率や予想される合併症についても情報公開することが必要である。
以上より、治療の利点のみならず、予期される合併症やその他の治療選択肢について情報提供を受けるのは、患者の権利であり、手術を受ける大腸癌患者(患者に説明できない場合には代理人)は、外科医によって、起こり得る合併症の内容とその発生率、死亡率を含めた手術のリスクが説明され、診療録に記載されるべきである。
参考文献
1. 日本医師会:診療情報の提供に関する指針 第2版、平成14年 http://med.or.jp/nichikara/joho2.html