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QI36 化学療法施行中の有害事象

化学療法

実施率の計算方法

分子:
     最初の3カ月、毎回、医師による診察時、診療録に有害事象の有無が記載されている患者数

分母:      外来で化学療法を受けた大腸癌患者数
(平成22年5月改訂) 前版を表示隠す

(前版)

分子:
     毎回診察時、診療録に有害事象の有無が記載されている患者数

分母:      化学療法を受けている大腸癌患者数
■変更理由
(1)外来化学療法を想定して作成したQIであり、採録の負担を減らすために対象(分母)を「外来化学療法」に限定することとした。
(2)化学療法の実施責任者である医師による有害事象の確認が必要との作成意図のため、分子に「医師による診察時」の記載を追加することとした。

 

参照ガイドライン/先行研究

大腸癌治療ガイドライン(医師用・2014年版)

 

根拠

 大腸癌に対する化学療法で使用される5-FU+ロイコボリン(LV)、イリノテカ ン(CPT-11)、オキサリプラチンなどの抗がん剤(ベバシズマブ、セツキシマブ、 パニツムマブ、レゴラフェニブなどの分子標的治療薬を含む)では、その頻度は報 告により異なるものの、白血球減少、食欲低下、嘔気・嘔吐、下痢、肝機能障害、 神経毒性、脱毛、皮膚障害等の有害事象が知られている。大腸癌治療ガイドライ ン(医師用・2014年版)には、「前回投与時およびその後の治療関連有害事象や腫 瘍関連症状等を検討して、抗がん剤投与の継続の可否を判断し、また適宜原料など を考慮する」と記載されている。また前治療コースで重篤な有害事象が発生した場 合でも、一定の基準に回復した後に評価を行い、有効性が期待できれば用量や投与 間隔を調整して治療を継続し、原則として特に理由が無い限り治療スケジュールを 遵守することが重要であると記載されている。このため、化学療法期間中は少なく とも診察時に自他覚症状の観察、臨床検査値等による有害事象の有無の確認が必要 である。

 以上より、化学療法の安全かつ適切な遂行のため、化学療法を受けている大腸癌 患者では毎回診察時、診療録に有害事象の有無が記載されるべきである。

 

参考文献

1.  大腸癌研究会編. 大腸癌治療ガイドライン 医師用 2014 年版. 東京: 金原出版; 2014.

2.  厚生労働省. 抗悪性腫瘍薬の臨床評価方法に関するガイドライン. 2005. Accessed October 17, 2007, at http://wwwhourei.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/171101-b.pdf

3.  JCOG運営委員会/癌治療学会. 有害事象共通用 語規準v3.0日本語訳JCOG/JSCO 版.2007. Accessed October 17, 2007, at http://www.jcog.jp/doctor/tool/CTCAEv4J_20150310.pdf".