QI24 内視鏡的摘除における治療前深達度診断
内視鏡治療
実施率の計算方法
分子: |
色素内視鏡観察、拡大内視鏡観察、超音波内視鏡検査(EUS)のいずれかによる治療前深達度診断が行われた患者数 | |
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分母: | 最大径2cm以上の病変の内視鏡的摘除を行った大腸癌患者数 |
参照ガイドライン/先行研究
大腸癌治療ガイドライン(医師用・2015年版)
根拠
大腸癌における内視鏡的摘除においては、摘除標本の正確な病理診断のためには、癌病変の一括切除が要件であり、一般にスネアのサイズからEMRで一括摘除が可能な病変は、最大径2cm程度である。しかし内視鏡的摘除の適応は、術者の深達度診断の能力や手技的習熟度による差が大きい。熟練した専門医であれば、径2cm以上の病変でも内視鏡的粘膜切除(EMR)での一括切除が可能であり、計画的分割EMRや、内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)など新しい手技を用いた一括切除が可能な場合がある。病変の大きさが2cmを超える場合でも、内視鏡的に深達度cTis(M)と判断されれば、しばしば計画的分割EMRが行われる。技術的進歩を指向した2cm以上の病変に対する内視鏡的摘除の試みを阻害するものであってはならないが、逆に適応を過度に広げるのは患者にとって著しく不利益であり、執行医が技術的に一括切除可能と判断した場合、あるいはcTis(M)癌と予測した病変に対してのみ、計画的に分割EMRを行うべきである。また、cT1(SM)高度浸潤癌は病変の大きさに拘わらず内視鏡的摘除の適応外であるため、SM浸潤度の内視鏡的診断は慎重に行われるべきである。そのためには、色素内視鏡観察、拡大内視鏡観察、EUSなどを用いた詳細な治療前深達度診断が行われることが重要である。
以上より、最大径2cm以上の病変の内視鏡的摘除を行う大腸癌患者においては、色素内視鏡観察、拡大内視鏡観察、EUSのいずれかによる治療前深達度診断が行われるべきである。
参考文献
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