QI15 肺門・縦隔リンパ節の郭清・サンプリング
外科療法・病理
実施率の計算方法
分子: |
原発巣の切除に加えて、肺門・縦隔リンパ節の郭清・サンプリングが行われてその範囲を診療録に記載するか、行われない理由が記載されている患者数 | |
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分母: | 根治手術が行われた肺癌患者数 |
参照ガイドライン/先行研究
肺癌診療ガイドライン2005年版
根拠
肺癌診療ガイドライン2005年版では、系統的リンパ節郭清がサンプリングと比較してmultiple N2の発見率が高く、術後合併症の発生率や死亡率に有意差がないとの報告を元に、正確なStage診断の観点から行うことを勧めているが、サンプリングと系統的郭清の、生存率、局所再発率、無病生存率などのアウトカムの違いについては報告によって結果が一定していないのが実情であり、予後改善については根拠が明確でないとしている。そのため、QIとしてはどちらかに限定できないが、肺癌に対する根治手術が行われる場合には、原発巣の切除に加えて肺門・縦隔リンパ節の郭清・サンプリングのいずれかが行われ、その範囲を診療録に記載するか、行われない理由が診療録に記載されるべきである。
参考文献
1. Izbicki JR, Passlick B, Pantel K, Pichlmeier U, Hosch SB, Karg O, et al. Effectiveness of radical systematic mediastinal lymphadenectomy in patients with resectable non-small cell lung cancer: results of a prospective randomized trial. Ann Surg 1998 Jan;227(1):138-44.
2. Wu Y, Huang ZF, Wang SY, Yang XN, Ou W. A randomized trial of systematic nodal dissection in resectable non-small cell lung cancer. Lung Cancer 2002 Apr;36(1):1-6.
3. Keller SM, Adak S, Wagner H, Johnson DH. Mediastinal lymph node dissection improves survival in patients with stages II and IIIa non-small cell lung cancer. Eastern Cooperative Oncology Group. Ann Thorac Surg 2000 Aug;70(2):358-65; discussion 65-6.