QI 8 手術により期待される効果の説明
治療前評価
実施率の計算方法
分子: |
手術により期待される効果(治癒率または5年生存率)の説明(患者に説明できない場合には代理人に)とその診療録記載が行われている患者数 | |
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分母: | 手術を受けた胃癌患者数 |
参照ガイドライン/先行研究
特になし
根拠
術前のインフォームドコンセントによって、手術のリスク、ベネフィット、また手術に代わる治療法に関する情報を患者に提供することにより、胃癌患者は十分な情報に基づいた判断が可能になると考えられる。胃癌の手術におけるインフォームドコンセントの過程において、外科的治療と非外科的治療(化学療法や放射線療法など)の両者を含めた治療の選択肢について、医師と患者間で話し合うべきである。加えて、外科的治療においても、その術式に応じてさまざまな難易度や合併症発生率の違いが存在するため、外科的治療の選択範囲についても患者に対して説明する必要がある。また、患者の十分な理解のためには、死亡率や予想される合併症についても情報公開されるべきである。さらに、合併症などの負の情報だけではなく、どれほどの治療効果が期待できるのかをきちんと説明することが重要である。
以上より、治療による効果・リスク・起こり得る合併症について情報提供を受けるのは、患者の権利であることから、手術を受ける胃癌患者は、手術により期待される効果(治癒率または5年生存率)が説明され(患者に説明できない場合には代理人に)、診療録に記載されるべきである。
参考文献
1. 比企直樹, 山口俊晴, 福永哲, ほか 【手術室の最新情報】 術前のインフォームド・コンセント 外科69巻3号 Page249-253
2. 阪眞, 笹子三津留 【癌の外科治療におけるインフォームドコンセント】 胃癌 日本外科学会雑誌108巻1号 Page10-14
3. 上西紀夫, 清水伸幸, 山口浩和, ほか 【癌治療とインフォームド・コンセント】 癌手術とICの実際 胃癌治療におけるインフォームド・コンセント 外科治療90巻2号 Page130-135