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QI13 手術切除の説明

治療・術式選択

実施率の計算方法

分子:
     治療前の、手術切除が標準という旨の説明が行われ、記載されている患者数

分母:      未分化型、2cmより大きいもの、UL(+)病変、のいずれかの胃癌に対して内視鏡治療を受けた患者

 

参照ガイドライン/先行研究

胃癌治療ガイドライン(第3版)

 

根拠

 未分化型癌でも組織学的M癌でUL(-)2cm以下の場合にはリンパ節転移の可能性はないが、従来リンパ節転移の危険因子とされてきたため、一般臨床においては、未分化型癌は大きさによらず内視鏡治療の適応外とされている。胃癌治療ガイドラインでは、組織学的M癌でUL(-)の場合、リンパ節転移率は≦30mmで0.5%、>31mmで1.4%、UL(+)の場合は≦30mmで1.6%(分化型0%、未分化型2.7%)、>31mmで6.3%(分化型3.0%、未分化型8.0%)と記載している。UL(+)では、リンパ節転移のリスクがあるため、内視鏡治療の適応外とされている。

 以上より、未分化型、2cm以上、UL(+)(QI 10以外)で内視鏡治療を受けた患者は、リンパ節転移の可能性があることから、この条件の胃癌に対しては、治療前に手術切除が標準診療であるという説明を行うべきである。

 

参考文献

1.  日本胃癌学会, ed. 胃癌治療ガイドライン 第3版. 東京: 金原出版; 2010.

2.  Gotoda T, Yanagisawa A, Sasako M, et al. Incidence of lymph node metastasis from early gastric cancer: estimation with a large number of cases at two large centers. Gastric Cancer 2000;3:219-25.