QI23 肝動脈(化学)塞栓療法(TA(C)E術)後のフォロータイミング(画像検査)
フォローアップ
実施率の計算方法
分子: |
1年以内は少なくとも3ヵ月ごとの間隔で、画像検査(禁忌がない限り造影CT/MRI)のフォローがされている患者数 | |
分母: | TA(C)Eを受けた肝細胞癌患者数 |
(前版)
分子: |
少なくとも3ヵ月ごとの間隔で、画像検査(禁忌がない限り造影CT/MRI)のフォローがされている患者数 | |
分母: | TA(C)Eを受けた肝細胞癌患者数 |
参照ガイドライン/先行研究
肝癌診療ガイドライン2005年版 RQ 48
根拠
TA(C)E後にどの程度の間隔でフォローを行うのが予後に最も影響するのかを吟味したRCTは存在しない。TA(C)E後の再発率は非常に高率である。ある一定のコンセンサスとして、欧米のSociety
of Interventional Radiology
のTA(C)Eの質改善ガイドラインでは、特に癌が進行していることが明らかでない場合には3~4ヵ月ごとの画像検査を推奨している。また、研究上もTA(C)Eの予後を研究したRCTやコホート報告では、3ヵ月ごとの画像検査(最初のみ1ヵ月後の場合もある)、または3ヵ月ごとの診察と6ヵ月ごとの画像検査を行うのが通例である。本QIに関しては専門家パネルの間で他のQIとの整合性を保つために4ヵ月を採用した。また、3ヵ月の間隔に異議はないものの、被爆のリスクなどを考慮して、ある程度は超音波によるフォローも許容されるとの意見も出された。確固たる結論を出すためには、RCT等による研究が必要と考えられ、評価を考える上では、実施率について超音波を含めたフォローと、CT/MRIのみのフォローの間隔で計算し、その違いなども考慮した上での検討が必要ともいえる。
以上、未決着の部分はあるものの、一般にTA(C)E後は再発のリスクが高く、その早期発見に努めることが重要であるため、TA(C)Eを受けた肝細胞癌患者は、少なくとも1年以内は4ヵ月ごとの間隔で、画像検査(禁忌がない限り造影CT/MRI)のフォローを受けるべきであると考える。また、他院でのフォローアップをされている患者に関しては、診療録にその結果が記載されるべきである。
参考文献
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